笑い飯哲夫さんの銀色の青。感想とレビュー!後半にはネタバレあります。


おはようございます。

 

銀色の青。ご存知でしょうか。

笑い飯哲夫さんはご存知ですよね?

右の方が哲夫さんです。

その笑い飯哲夫さんが自身5作目となる小説を執筆されました。

一応サラッとプロフィールを。


1974年12月25日生まれ(クリスマス生まれ)

奈良県の超名門「奈良高校」を卒業し、関西学院大学文学部哲学科を

卒業。

仏教が好きで、仏教関連の本を過去に3作執筆している。

クリスマス生まれで仏教好きというのも皮肉な話です。



 

さらっと過ぎますかね。まぁほとんどの方がご存知だと思うので深くは書きません!

で、この哲夫さんが自身初となる青春小説銀色の青」を執筆されましたので、さっそくレビューしていきたいと思います。

ネタばれは後半にまとめます。スマホで読んでくださっている方は親指を素早く動かすのを中断し、慎重に下に送ってください。ネタバレを含む所は分かりやすくしますので、安心して読み進めてください。


ちなみに私は普段本はあまり読みません。

会社の先輩にいただいた本を少しばかり読むくらいです。

でも笑い飯哲夫さんのファンなのでエロ小説以外の4冊を読みました。

ただ、あまり本を読まないので、下記のレビューも支離滅裂で読みにくいと思います。すみません。
あと、ネタバレが少しでもあると嫌なタイプなので、本当に薄ーくレビューします。何も知らない状態で本を読んでいただきたいです。


この本は哲夫さん曰く「20代以上の方に読んでいただきたい作品」とのことです。

確かに私もそう思います。なぜなら、的確に的を射すぎているからです。

感情表現がとても豊かで、心理や風景の描写も恐ろしいほどに素晴らしいです。

その結果、全登場人物が驚くほどに鮮明に頭に浮かび上がるのです。


で、そんな登場人物たちが

「あんなことやこんなことでこんな風に考えている」

という本の内容が現実生活とリンクしすぎて頭がおかしくなりそうな。そんな気がするのです。

学生時代の周りの人間の考え方の「答え」が書いてあるようで、これを学生時代に知ってしまうと僕はみんなへの接し方が大きく変わってただろうなと思います。良くも悪くも。

この本の帯には

「おまえ、自分に嘘ついて、やる気ないふりして、傷つかんようにしてるだけやんけ」というセリフが書かれています。

確かにこのセリフ結構この話の大事な部分を突いているかもしれません。

まぁ多くは語りません。是非読んでくださいね。


高校2年生の主人公「清佐(きよすけ)」の心を巧みに表現しながら進んでゆく話です。この表現が本当に素晴らしく、読み進めるほどこの「清佐」の人間性が手に取るように分かっていきます。

だから、とにかく感情移入がしやすいです。

途中は「なんでこうせえへんねん」と読みながらイライラしてしまうことも。

それくらいこの本には没入感があります。

高2という設定も絶妙ですよね。性にも目覚め、友情やら愛情やらなんとも言えない年齢です。

そして、クラスメイトの表現もこれまた絶妙です。絶対みんなのクラス、学年にいたであろう人間がいっぱい出てきて懐かしささえ感じます。

それくらい、学校生活のあるあるを感じる作品です。特に男子はそうだと思います。

主人公を含め、心情が描かれるのが男子が多いため、女性の方は「こんなことを男子は考えてたんだ」と思って読めると思います。


そして、普段あまり本を読まない私にとっては少し難しい表現が多くあります。

情けないことに読めない漢字もちょくちょくありました。


芸人さんが書いてるから難しくないだろう。ただ面白い本だろう。

と思って読むと「あれ?」ってなると思います。

ホームレス中学生」や「京大芸人」とは一味も二味も違います。

 

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火花」はすみません。読んでませんのでわかりませんが。

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これは「文学作品」であることを理解して読んでいただきたいです。

哲夫さんは文学部哲学科という学歴なんです。ただでさえ難しそうな文学部哲学科まで乗っかってるんです。

まるでロコモコ丼です。ただでさえ美味しいハンバーグに目玉焼きが乗ってる感覚です。

そのことを十分理解して読んでください。

もちろん分かりにくくはないです。というかとても分かりやすいです。

上のロコモコ丼の例えを1点とするならば4000点の例えのオンパレードで非常に読みやすいです。

声を出して笑ってしまう部分もあります。

でも、読み終わったとき「思ったより難しかったな」と思いました。

ごめんなさい。言いたいことが文章にできません。

とにかく甘い気持ちで読み始めてほしくないです。

本を普段たくさん読んで、本が好きだ!という方にこそ読んでほしい作品です。

今年5冊(少なすぎる!)の本を読んだ私が本屋大賞に推薦したい本です。

ちなみに本屋大賞は1月22日にノミネート作品が発表されて4月9日に大賞が発表されるようです。そのころまでにもっといろんな方に読んでいただきたい・・・!


銀色の青

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ではここからネタばれ含みます。




まず、銀色の青というタイトルについて。

むずかしいですよね。これは本当に私の個人的な想像です。妄想です。

青は青春の青かな。と思います。

銀色は100円玉に縛られた青春という意味で100円の銀色かなぁ。

もう一つ思うのは、銀色というのは、灰色の光ってるバージョン。学生当時は灰色で絶望的だったけど、今考えるとそれも何か光ってるように感じて。銀色になったのかな。とも思います。

こんな深い意味はないかもしれませんがまぁとらえ方は自由ですよね。


この本を読んでくださった方は分かってくださると思いますが、物語の肝となるキーワードは前半にさらっと出てきますよね。

100円しかり彼岸花しかり白い軽トラしかり。

読書素人の私からするとそこがすごいなぁと感じました。

 

結末

最後のどんでん返しですよね。

まさか返してないのは清佐だったとは。

この結末を知ってからもう一度最初に戻って清佐がベースに100円を貸すシーン(実際には返すシーン)を読んでみると確かにベースは単に貸してた100円を返してもらっている。ただただそんな態度なんですよね。

分かってから読むとなんの違和感もない普通の動作なのです。

自分が返していなかったことを棚に上げてというか完全に忘れて、貸した100円に対してここまで悩んでいた約1年間。

まさかここまで悲しいオチになろうとは。

せめてもの救いは40歳になった清佐がこのことを振り返って

「こいつ、あほと違うか」と発言していることです。

というかこのシーンがなかったら結構重いエンディングでしたよね。

そのあたりに哲夫さんの性格を感じました。

もちろん最後にお母さんに「補欠」から「補佐」にしてもらったことで(気付かせてもらったことで)結構ハッピーエンドにはなっているんですが。



親子愛

学生の友情、恋愛を描きながら、大きなテーマとして親子愛があるようにも感じました。

お弁当を忘れてしまう清佐。食べることを忘れてしまう清佐。車で送ってもらう清佐。父親がいない清佐。お母さんから名づけの由来を聞いて報われる清佐。そしてなにより100円はお母さんの100円だということにこだわる清佐。

お弁当を忘れるという経験は全員がしている経験でしょう。

随所に出てくる母親との描写が、すごい懐かしく感じ、愛情を強く感じました。

なんだか母のお弁当を久しぶりに食べたくなりました。


 

恋愛

恋愛と言えば清佐は玲子と詩織のどっちが好きだったんでしょう。

答えは本文にもある通り「どっちも」でしょう。女性の気持ちは分かりませんが、男子高校生なんかどっちも好きなんてことしょっちゅうです。

まぁどっちに告白されてもOKだなぁ。で、どっちが好きかとどれだけ考えても自分に好意を向けてくれてる方が好き。程度なんです。

多分清佐にとってこの2人はそんな感じでしょう。

でももしかしたら清佐はクラスのマドンナ的な2人と付き合うことで自分の位が上がることを期待していただけかもしれません。




「とりあえず、びっくりくりくりくりするほどおもしろかったな。」


これから何度か読み返したいなぁといま思っています。

まず、妻に読んでもらってここに感想を追記してもらいますが本当におもしろい本でした。

 


 

 

追記

 

私も夫と同様に普段から本を読まない人なので、一般的な小説の終わり方がどんなものかよく分かっていないのですが

ちょっと終わり方に不満というか、もうちょっと書いてほしかったなあという印象を持ちました。

主に人間関係の面で。

 

とはいえ、この小説の軸となっているのが「100円」なので、

それが解決したらもう他のところは別に深く掘り下げなくてもいいもんなんだろうなとも思いました。

 

夫が上で書いているように、あぁ、思春期の男の子はこんなことを考えているんだとも思いました。

その点は私は女なので共感は出来ませんでしたが、自分の自尊心が邪魔をしてちょっとした相談が出来ないでいる、

その心理描写には非常に心を掴まれました。

と同時に青春時代、恥ずかしい思いや切ない気持ちになったことを思い出しグッときました。

今だから笑えることとなっていますが、現役時代こんな気持ちになりながら読むのは精神的にちょっと危険かも。笑

 

1つ、良かったと思ったのは

主人公の清佐があらゆる面で劣等感を抱いていたベースが実は誰よりもねちっこい奴だとわかったことです。

あんなに事細かに清佐の様子を覚えているなんて、余程優越感に浸りたかった、哀れな奴なんだと感じました。

完璧な人間なんていないんですよね。

 

タイトルですが、私も銀色は100円玉のことだと思うし青は青春を表していそうだと感じました。

他には重要な場面で出てくる「雨」であったり、はたまた「彼岸花(赤)との対比」として青なのかなとも。

まあきっとなんでもいいのでしょう。答えなんてないんだと思います。

 

あとは、素敵なお母さんで本当によかったね。これに尽きます。